今回は猫に優しい眼圧計とのベットプラスをを導入しましたので猫の眼圧について解説していきます。猫にも緑内障があるんですか、と驚かれます。犬や人ほどは多くないものの、稀に遭遇します。

今回導入したトノベットプラスは、角膜への接触がソフトで点眼麻酔が不要な、猫に優しい眼圧計です。フィンランドのメーカーで作られておりデザインも綺麗ですね。従来の眼圧計は角膜にペタペタと手動で接触させて眼圧を測っていましたが、トノベットプラスは1.7mmの球体が角膜に接触するだけなので動物に優しいとされています。

・測定方法

眼圧計を平行にしてプローブを猫に近づけてボタンを押すだけです。実際に測定しているのがこちらになります。本体から白いプローブが高速で出し入れされ、6回測って1番高い数値と1番低い数値を除外して平均値を計算します。

 

リンクはこちら!

犬よりもやや高く10〜25mmHgが正常値とされています。眼圧が上がる要因としては、緊張、測定する角度、保定の方法などが挙げられます。また猫では夜の方が高くなるという報告があるようです。眼圧が下がる要因としては、高齢があり7mmHg以下になることもあるようです。

・猫の眼圧が上がる病気

眼圧の正常値は10〜25mmHgとされていますが、特に31mmHg以上を緑内障の可能性を考えます。猫の緑内障は先天性(生まれつき)や、原発性(他に原因がない緑内障)は非常に稀であるとされています。一応、シャム、バーミーズ、ペルシャなどが原発性緑内障のリスクがやや高い報告されています。

原因として多いのは続発性で、その原因はぶどう膜炎、眼内腫瘍、外傷(水晶体脱臼など)です。その中でも目の中が濁るなどの症状が出るぶどう膜炎が1番多いとされています。

ぶどう膜炎の猫の眼。中が濁っているように見える
虹彩黒色症:基本的に良性だが、悪性の黒色腫に進行すると緑内障を起こすことも

まとめ

トノベットは点眼麻酔のいらない、猫に優しい眼圧計です。猫は犬に比べると緑内障が少ないですが、ぶどう膜炎から発症することが多いです。治療は点眼薬、特に目の中の液体の分泌量を減らすトルソプト点眼などが使われます。猫では進行が緩徐とされていますが、緑内障を放っておくと失明する危険性もあります。

自宅でのチェック方法は目の上を触った硬さの変化で、眼圧を推定することはできます。しかし日頃から多数の猫の眼を触っていないと違いに気が付かないので、飼い主さんがチェックするのは難しいでしょう。目の中が濁っている、左右の瞳孔の大きさが違う、目の黒い箇所が増えた、などの異常が見られたら、動物病院で一度診てもらいましょう。

 

“猫に優しい「眼圧計」を導入しました” への1件のコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。