人医療ではCovid-19がきっかけとなり、オンライン診療が徐々に一般的になっています。獣医療、特に病院嫌いな猫は以前からオンライン診療は相性がいいでは、と期待されていました。病院に来なくてできるオンライン診療は究極のキャットフレンドリーと言えるかもしれません。当院でも今年からオンライン診療を開始しました。しかしオンライン診療にはデメリットもありますので、注意点を解説します。

・オンライン診療の適応

日本獣医師会からオンライン診療の指針が発表されています。オンライン診療はとても便利ですが、情報が限られる故の誤診、獣医師のなりすまし(獣医師じゃないのに獣医師と名乗る)などの危険性も含んでおります。

そのため上記の獣医師会の指針でも、初診の場合は原則対面での診察を推奨されています。当院でも、現時点ではオンライン診療は再診の飼い主様と猫さんに限定して実施しています。獣医師法においても直接対面せずに聞き取りや動画写真で診断を下すことは通常困難であると述べています(18条、無診察治療の禁止)。

初診とは:初めて診察する動物。また同じ動物でもこれまで受診していた疾患とは異なる症状や病気の診察、同一疾患でも一度治癒して再発した場合は、いずれも初診に該当する。

・オンラインでのセカンドオピニオンの相談

他院での検査結果や治療についてセカンドオピニオンを聞きに行くのにオンラインは非常に便利です。離れた場所の獣医師の意見も聞くことができるでしょう。セカンドオピニオンはほとんどが初診になるかと思いますが、上記のように現在のところ初診でのオンライン診療は推奨されていません。

そのためセカンドオピニオンの場合は診療ではなく相談、助言になります。そのため診断や薬の処方はできません。お手持ちの資料とこれまでの経過から、治療方針に関するアドバイスを行います。同様に「病院に行くべきか迷っているので相談に乗って欲しい」という問い合わせも同様に、助言になります。

・オンライン診療の メリット/ デメリット

最大のメリットは猫を病院に連れて行かなくて良い点です。病院に行くだけで体調不良になる猫、興奮して検査ができない猫、そもそも捕まらない猫、移動中に粗相してしまう猫など、当院の患者さんでも苦労されている飼い主が多いです。

それ以外には飼い主さんの移動負担、時間負担を減らすメリットもあります。忙しい方にとっては移動時間、待ち時間を減らすことができて利便性が上がるでしょう。地理的に受診することができない遠方の方でもセカンドオピニオンとして相談することも可能になります。

デメリットとしては、実際に触診や検査ができませんので確定診断に至らない可能性があります。限られた情報の中で診察していくので、推定が増えてしまいます。また薬は配送で送ることはできますが、到着まで数日かかるのもデメリットでしょう。

上図にオンライン診療に向いているケースを挙げました。反対に、検査が前提で治療方針を決定する疾患は向いていないでしょう。例えば慢性腎臓病や甲状腺機能亢進の定期検診などは血液検査をしないと治療内容を調整できません。

・費用

オンライン診療(再診のみ) 15分 2200円(税込) 延長10分毎2200円
セカンドオピニオンの相談 30分 5500円(税込) 延長15分毎2750円

※延長は予約状況ではお受けできない可能性があります。

※Zoomアプリが使用できる環境をご用意ください

※混在状況により予約時間に開始できない可能性があります、ご理解の程よろしくお願い致します。

・オンライン診療対応時間

月〜金曜 15時〜19時 (最終18時半)

・予約方法

こちらのリンクより「ログイン」または「初めて来院される方」→「オンライン診療」を選択→「日時選択」

参考資料

愛玩動物における遠隔診療の適切な実施に関する指針 日本獣医師会

・弁護士が解説「愛玩動物における遠隔診療の適切な実施に関する指針」をふまえた、愛玩動物(ペット)の遠隔診療において遵守すべき事項と留意点

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