猫のダイエットに関してはこちら
画像は世界2位のデブ猫 デンマークのTubcatちゃん20kgです。
室内飼い猫の実に40%が肥満であるといわれています。2/3が肥満といわれているアメリカ人に追いつく勢いです。当然猫でも肥満は健康に悪く病気の発生率を増加させてしまいます。猫の肥満と病気リスクについてはこちら
今回は非常によく質問される「猫の平均体重?」「何キロからが肥満なのか?」「このこの理想体重は何キロ?」などのお答えを書いて行きます。
猫の平均体重
当然ながら性別、骨格によって大きく異なります。シンガプーラとメインクーンの平均体重は全く違いますが、一般的にはだいたい3〜5kg代までに殆どの猫は収まっています。
小柄であれば2kg後半、メインクーンやノルウェージャンフェレストキャットでは7kgでも肥満ではない猫も居ます。
何キロからが肥満なのか?
まず肥満とはどういう状態なのか?「理想体重の120%以上ある状態」を「肥満」といいます。つまり理想体重がわかればその猫が肥満なのかわかることになりますね。
1歳の誕生日の時の体重が生涯を通しての理想体重といわれています(※メインクーンやノルウェージャンフォレストキャットのように成長期が長い猫は注意)。また、理想的な体重だったころに動物病院にで測っていれば記録が残っているかもしれません。
そういった記録がない猫の肥満度チェックをする方法がいくつかあるのでみていきましょう。今回は3つ紹介します。
①BCS(Body Condition Score) ボディコンディションスコア
ボディコンディションスコアはおそらくもっとも多くの獣医が肥満または痩せ過ぎの判定に使っている指標です。概要は下の表の通りです
しかし残念なことに実際やってみるとこの表をみても正確な評価は難しいです。例えば「なだらかな隆起」ってどのぐらい「なだらか」なのかはなかなかわかりません。
BCS測定のコツ
特に評価しやすい部位を以下にあげます。表現は私の主観が多分に含まれていますが、参考にしてください。
•肋骨
なんとなく骨が触れるかな→BCS4
ん?肋骨がどこかわからない→BCS5
•くびれ:立った状態で真上から見るとわかりやすいです。※座ってると丸くみえるので注意!
どこがくびれか、かろうじてわかる→BCS3
くびれの部分が膨らんでいる気がする→BCS4
くびれるべき部位が明らかに膨らんでいる→BCS5
•おなか:立ったときのたるみ具合を見ます。※お腹の皮膚は一度肥満で伸びるとダイエットしても戻らないので注意!
横から見てお腹のラインが地面と平行→BCS3
横から見てお腹のラインが地面の方に傾いてる→BCS4
横から見てお腹のラインが地面に着きそう→BCS5
肥満の判定
BCSの結果を大雑把に解釈すると下表のようになります。120%以上が肥満なのでBCS4以上は肥満ということがわかります。
おおざっぱな理想体重はそれぞれの過剰な体重分を割ればだすことができます。
例)体重5kgのBCS4の猫のだいたいの理想体重は?
答え 5÷1.15=4.35kg
この猫の場合は「目標は4.3kgぐらいにしましょう!」となります。
BCS | 理想体重% |
3 | 100% |
3.5 | 110% |
4 | 115% |
4.5 | 120% |
5 | 125%以上 |
②WATHAM S.H.A.P.E™ チャート
ペットフード会社ウォルサムが「飼い主さんでも評価できるように!」というコンセプトで作った指標です。7段階評価でBCSよりも細かく分類することができます。
日本語版がないので下に翻訳を書きますね
①毛並みに逆らって指先を滑らせたとき胸郭※1を容易に感じることができますか?(力を入れずに)
②毛並みに逆らって指先を滑らせたとき脊椎を容易に感じることができますか?(力を入れずに)
③毛並みに逆らって指先を滑らせたとき肋骨の輪郭を容易に感じることができますか?(力を入れずに)
④毛並みに逆らって指先を滑らせたとき肩甲骨と寛骨(骨盤※2)を容易に感じることができますか?(力を入れずに)
⑤肋骨を覆う脂肪がありますか?
⑥毛を平らにならしてから、脇腹に手を滑らして下さい。ウェストがはっきり感じとれますか?
⑦おなかはたるんでいませんか?
⑧健康上あるいは運動になにか問題はありませんか?
A:極度に痩せている。直ちに獣医師へ相談。
B:痩せている。獣医師に相談すべき。
C:細身である。食事の量を増やし、体重が増加しなければ獣医に相談する。
D:理想的な体重。
E:軽度の体重過剰。事の量が適切か確認。運動量を増加させるよう努める。
F:中程度の体重過剰。獣医師に相談すべき。
G:重度の体重過剰。直ちに獣医師に相談。
※1胸郭というのは胸骨、肋骨、胸椎のことです。触ってみてどこからが胸部と腹部の違いがわかればYES、どこから胸部かわからなければNOです。
※2寛骨というのは骨盤の一部です。正しくは寛骨+仙骨+尾椎で骨盤と呼びます。前習えの先頭のポーズをするときに触っているのが寛骨です。
肥満の判定
上記の「BCS測定のコツ」と似たような質問がありますね。具体的な肥満基準を記されていませんがE以上は体重過剰、肥満といえるのはF、Gでしょう。
③FBMI™ (Feline Body Mass Index) 猫のBMI
「人間のBMIみたいに一発で肥満かわかる指標はないのか?」あります、それがFBMIです。人間では身長と体重を基準に決めていますね。猫では以下の部位を測定します
①胸郭外周:第8、9肋骨の間で測定。一周まわして下さい
②LIM(Lower Hindlimb measurement レッグインデックス測定値):膝蓋骨(ひざ)から踵骨(かかと)までの長さを測定。
この2pointを下の表の当てはめます(縦①胸郭外周 横②LIM)
青:痩せすぎ 緑:適正体重 赤:肥満
緑のど真ん中に来ていれば理想体重になっているといえるでしょう。
今回3つの猫の肥満チェック方法を説明しました。どれでやっても大丈夫です。
猫BMIは実際やってみると結構猫が動くので難しいです。しかし猫BMIはもっとも客観的に評価できる方法なので、猫BMIで肥満と診断すると自分家の猫が肥満であると飼い主さんが深く納得してくれることが多いです。
普段からだっこして骨の感触などチェックするのがいいとおもう。
むかし、6.5 kg が適正っぽい猫飼ってたよ。
7.5 kg になっていたころは、洗濯機に登れなくて、追っかけっこしてた 4 kg の猫に登られて見下されて、悔しそうにギャーギャー鳴いてた。で、ダイエットしたら登れるようになった。
いま傍らで寝ている爺さんは、腎不全で肋骨がごつごつするほど痩せていたが、治療(毎日点滴と投薬)を始めたら、食欲が回復して肋骨に脂が乗っていい感じの感触になっている。毎月2万円の薬代がかかるけど(さらに検査をすれば5000円)、とりあえず元気で飯を食えるし食いたがるのでので私は満足。