当院は猫専門病院として猫に優しい診療を目指しています。猫は犬と違い外出を好まない猫がほとんどです。できるだけストレスが少ないように病院で犬と遭遇しないように入り口を2つにしたり、猫の扱いに長けた看護師が診療補助をするなど、猫専門ではない病院でも猫に対して配慮するような活動が広まっており、これをキャットフレンドリークリニック(CFC)と呼びます。

しかしもっとも猫のストレスを減らして診療できるのは往診であると感じます。それには研修させて頂いたニューヨークの猫専門病院 Manhattan Cat Specialistsでの経験が強く影響しています。当時の院長Dr.プロトニックはすでに60代でしたが、院長自らマンハッタンの地下鉄と徒歩で1日に最大8件の自宅を回っていました。

当時、マンハッタン島内であれば往診費は100ドルでした。マンハッタン島の面積は58.8k㎡で、これは山手線の内側(64㎡)に相当します。

 

いつもDr.プロトニックと動物看護師ジーナの二人で往診していました。

往診を利用される目的はワクチンから、甲状腺ホルモンのチェックなどの病気のモニター、そして安楽死(欧米では治る見込みがない病気や末期の状態では、安楽死が選択されることが日本より多い)まで多岐にわたりました。

・往診のメリット

最大のメリットは移動ストレスがないことです。猫は自分の知らない環境へ行くと、他の動物よりも不安を感じやすいです。万が一往診が遅れても、自宅で待っているだけなので猫のストレスにはなりません。また終末期医療(ターミナルケア)では自宅で看取りたいという希望を尊重して治療を行うことができます。

また忙しい方では週末にしか猫を病院へ連れて行く時間が取れないこともあると思います。仕事を終えて、自宅に戻り猫をキャリーに入れて病院に行くと予想以上に時間がかかってしまいます。実際にこれまでも仕事後の時間に合わせて往診に伺うケースが多いです。猫の病気も早期に発見することで、進行を抑えたり、回復する可能性が高まります。

動物用血圧計 petMAP graphicⅡ
13インチノートパソコンと超音波検査機器 LOGIQ e Premium

 

また医療機器の小型化により超音波検査や血圧測定も往診先で行えるようになりました。血液や尿検査は持ち帰って検査します。レントゲン検査を除くほとんどの検査と処置を往診先で行うことができます。

・往診のデメリット

一方で往診においてのデメリットも説明しなくてはいけません。まずレントゲン検査はX線を使うので、鉛で囲まれた部屋でしか撮影することはできません。そのため肺の病気や骨の病気を診断が難しくなります。そして持って行く資材に限りがあるので予め準備していない処置はできないことがあります(緊急処置セットは常に持ち歩いています)。また知らない人がきて驚いてしまい猫が隠れてしまうと処置ができない可能性があります。これは事前に小さ部屋、玄関やお風呂など、に猫を隔離して置くとある程度防ぐことができます。

最後に往診をする場合は通常の診察+往診費用がかかります。当院では獣医師1名、看護師1名の2人体制かつ車で伺う場合は駐車代を含めて8000円になります。詳しくはこちらのページをご覧ください。

まとめ

猫のストレスを考えるともっともキャットフレンドリーな診察は往診だと思います。しかし、往診で対応できないケースではそのまま車で病院に運ぶこともあります。事前に動物病院と相談し、どのような症状か伝えてから来てもらうことが大切でしょう。これからさらに医療機器の小型化、高度化が進めばもっとできることが増えるかもしれません。また最近ではネットを駆使した遠隔診療も可能になって来ています。将来的には往診すらしないで医療が受けれるようになるかもしれません。

 

 

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