猫は植物に対して毒性に陥りいやすく、アロエやアイヴィーなどの一般的な観葉植物も中毒植物に挙げられます。またユリ科植物のように1口食べただけで命を落としてしまうこともあります。特に危険な植物はこちらの記事でリストアップしていますので参考にしてください。
「猫にも安全な観葉植物はどれですか?」と質問されることがありますが、この質問に答えるのは簡単でありません。毒があると証明するのは簡単ですが、その反対は難しいです。正確にどのくらいの植物を食べてたら毒が出るのかは、新しい薬の治験のように調べてなくてはいけません。
今回はASPCAの植物毒性リストを元に、「None Toxic to Cats」に挙げられている中でガーデニングに向いた50種を挙げた記事を紹介します。
※注意点として
ASPCAとはAmerican Society of the Prevention of Cruelty to Animals アメリカ動物虐待防止協会です。動物の里親募集、相談、レスキューなどを行い、多くの獣医師も所属している団体です。活動の1つに24時間の中毒対応のレスキューコール(APCC Animal Poison Contorl Center)があり、そのデータベースを元にこのリストを作っています。
APCCは年間10万件以上のケースを対応しています。この「毒性がない」と判断されたリストの条件として「これまで全身症状を伴う影響、または強い消化器への影響が報告されていないもの」としています。APCCは10年以上の活動を通し中毒専門家がリストを作成していますが、膨大な植物の中で「今までたまたま報告されていなかった毒性がある植物」が毒性なしリストに紛れている可能性は消せません。その点を理解した上でこのリストを参考にしてください。
毒性なしリストの中から観葉植物、ガーデニングに向いている植物50種
英名 | 学名 | 日本語名・和名 |
American Rubber Plant | Peperomia obtusifolia | ペペロミア・オブツシファリア |
Bamboo | Phyllostachys aurea | ホテイチク |
Basil | Ocimum Basilicum | バジリコ |
Brazilian Orchid | Sophronitis | |
Cat Ear | Calochortus nuttalli/Calochortus luteus | |
Cocktail Orchid | Cattleya forbesii | カトレア・フォルベシー |
Coriander | Coriandrum sativum L | コリアンダー |
Cornflower | Centaurea cyanus | ヤグルマギク |
Dwarf Date Palm | Phoenix acaulis | |
Dwarf Feather Palm | Nephrolepidaceae | |
Dwarf Royal Palm | Veitchia merillii | マニラヤシ |
Easter Orchid | Cattleya mossiae | |
Fire Weed | Epilobium angustifolium | ヤナギラン |
Flame African Violet | Episcia reptans | エピスシア・レプタンス |
Freckle Face | Hypoestes phyllostachya | ヒポエステス・ローズ・スポット |
Garden Snapdragon | Antirrhinum majus | キンギョソウ |
Golden Bells | Oleaceae | レンギョウ |
Black Hawthorn | Crataegus douglasii | |
Hens and Chickens | Echeveria elegans | エケベリア・エレガンス |
Irish Moss | Selaginella kraussiana | アイリッシュ・モス |
Jacob’s Ladder | Smilax herbacea | |
Jasmine | Jasminium species | ジャスミン |
Kenya Violet | Santpaulia confusa | |
Lady Palm | Rhapis flabelliformus | カンノンチク |
Leopard Lily | Lachenalia lilacina | |
Mangnolia Bush | Mangnolia Bush | |
Mosaic Vase | Guzmania musaica | グズマニア・ムサイカ |
Mulberry Tree | Morus sp. | クワ |
Natal Plum | Carissa grandiflora | オオバナカリッサ |
Orange Star | Guzmania lingulata minor | グズマニア・ミノール |
Pampas Grass | Cortaderia selloana | シロガネヨシ |
Patient Lucy | Impatiens spp. | インパチェンス |
Petunia | Petunia species | ペチュニア |
Queencup | Clintonia uniflora | |
Queensland Arrouwroot | Canna edulis | ショクヨウカンナ |
Red Palm Lily | Cordyline rubra | |
Rose | Rosa Species | バラ |
Sand Lily | Leucocrinum montanum | |
Sunflower | helianthus angustifolius | |
Texas Sage | Salvia coccinea | サルビア・コッキネア |
Tropical Moss | Selaginella kraussiana | |
Urbinal Adavoides | Echeveria elegans | エケベリア・エレガンス |
Purple Velvet Plant | Gynura aurantica | アウレンティカ |
Verona Lace Fern | Nephrolepis biserrata | ホウビカンジュ |
Walking Anthericum | Chlorophytum comosum | オリヅルラン |
Wax Rosette | Echeveria derenbergii | |
Wild Strawberry | Fragaria | ノイチゴ |
Yellow Palm | Dypsis lutescens | アレカヤシ |
Zinnia | Zinnia species | ヒャクニチソウ/ジニア |
Zycchini Squash | Cucurbitaceae | ズッキーニ |
リストにあっても注意すべき植物科
上記のように毒性リストは完璧ではありません。例えば、この中にも幾つかのユリ科の植物が毒性なしリストにアップされています。私も多くの飼い主さんにユリ科は総じて毒性があるので避けてくださいとアドバイスしてきました。確かにユリ科を食べても全く症状が出なかった猫も経験しており、全てのユリ科が毒性があるのではないのでしょう。
ただし、チューリップやカノコユリなど観賞用の多くは強い毒性があり危険です。万が一のためユリ科は避けたほうが良いでしょう。ユリ科の他には、スモモ属、ナス科、キンポウゲ科、サトイモ科などは強い毒性がある植物が含まれる科も注意しましょう。
その他には人間に毒性がある植物(ヒガンバナ、トリカブトなど)、漢方薬として使われる植物(ジギタリス、ゲッケイジュ)などはやはり猫に中毒を起こしますので避けましょう。
ASPCAリストの使い方
ASPCAのサイトにアクセスすることで、その他の植物の毒性を調べることができます。
・名前に注意:学名をチェックしましょう。植物の名前は地域により呼び方が異なる上、英語のリストなのでさらに混乱します。。見た目が似ていて、同じ科の植物でも間違えると中毒に陥ることがあります。一番正確なのは学名で、世界共通です。
まとめ
猫の中毒は散発的に起こり、またどのぐらい飲み込んだかも把握し辛いため、猫の植物毒性のデータベースを作るのはとても大変です。完璧ではありませんが、ASPCAのサイトの植物毒性リストが充実しています。植物を選ぶ時はまずはこのサイトでチェックし、毒性ありの場合は必ず避けましょう。
参考
Cat Man Do:50 cats safe plants for your garden
ASPCA:Plants Toxic to Cats
我が家のキッチンには、アイヴィーの小さな鉢があります。
5,6年前に買って、めったに水もやらないし、肥料もやらないのに今でも元気です。
猫にとって毒であることは2年前ぐらいに知ったのですが、うちの猫は全然関心がなく、なんとなくそのままになってます。
猫草も必ず食べさせなくてはいけないものではないと何かで読んだことがあり、一度も食べさせたことがないため、関心もないのかもしれません。
(食事もペットフードしか食べません。)
が、やっぱり、危ないですよねえ。
ベランダに出そうかなぁ。メインのベランダでは、私について出てくることがあるので、北向きの小さなベランダかなあ。普段見られないのは寂しいですが。
ユニークな視点ですが、やはりしつこいくらい危険な植物を強調した方がよいのではと思います。
中毒事例がない=安全という訳ではないですからね。
あと、元ネタの寄稿者Laura M. Sands女史は単なるコピーライターのようです。
彼女は一体何を基にして「安全」と断言しているのでしょうか??
コメント、ご指摘ありがとうございます。おっしゃる通り植物毒性は非常に危険で、命を落とす可能性もはらんでいます。その一方でどの植物なら飾れるのか、という質問に答えるためにこの項を作りました。構成の変更と注意点に関して追記しました。
ありがとうございます。
ネットの情報は無料な分、斜め読みしてしまう人が多いようです。
全ての人が注意点まで含めてしっかり把握し、「Sand Lily」を「Lily全般」と勘違いしないことを期待します。