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白斑病の猫スクラピー

左は5歳の頃のスクラピー。別猫のように見えます。

スクラピー(Scrappy:Instagram FaceBook)は真っ黒な猫でしたが、歳をとるにつれて白黒のブチ柄になっていきました。上の写真が同じ猫だとは信じられるでしょうか。猫も歳をとると色素が薄くなり、黒からチョコレート色に変化したり、白髪が増えてきたりすることはありますが、ここまでの変化は通常みられません。

スクラピーは尋常性白斑という病気だと考えられます。皮膚の色素(メラニン)生成する細胞、メラノサイトが働かなくなるために起こります。人間でも0.5〜1%の確率で発生し、マイケルジャクソンがこの病気で肌の色が変化したことが知られています。またモデルのウィーニー・ハーロウも同様の理由で肌の色が部位によって異なります。

ウィーニーハーロウ

スクラピーは現在17歳です。10歳の頃から白い斑点がでるようになったそうです。猫の毛の色は皮膚の色素に依存するため、毛が白くなります。尋常性白斑は色素が落ちた箇所が日光に弱くなることはありますが、健康上問題はありません。スクラピーも現在17歳ですがとても健康だそうです。

 

鼻に白斑ができた例 http://vetbook.org/wiki/cat/index.php/Vitiligo

猫の尋常性白斑は非常に稀です。遺伝的な要因が関係して言えると考えられており、シャム猫で少し発生率が高いです。通常特別な治療は必要としません。徐々に白い部位が増えるので、完全に白猫になることもあります。黒猫で目立ちますが、他の毛色の猫も発症することはあります。猫以外にも犬や馬でも同様の疾患は報告されています。加齢にともない、毛色が変わったと飼い主さんからお話を聞くことは多いですが、あまりにも大きく変化した場合は、こんな可能性もあるかもしれませんね。

ゴロン