「原始的」と呼ばれるように野生に近い猫の方が発達しており、このポーチはトラやライオンにも見られます。キャットショーの世界ではベンガル、ピクシーボブ、エジプシャンマウではこのポーチの大きさが評価基準に入ることもあるそうです。ベンガルはベンガルヤマネコの血が入っています。ピクシーボブはその野性的な外見からボブキャットの血が入っていると考えられていましたが、DNA検査の結果ボブキャットとは関連がないことがわかりました。
プライモーディアルポーチが発達した理由としてあげられる仮説
1,お腹を守るために
猫の得意技の1つネコキックは前手で相手を抱え込み、後足で連続の蹴りを入れます。ネコキックを手首に受けたことがある飼い主さんも多いでしょう。余った皮は猫同士の喧嘩でネコキックなどの腹部への攻撃を和らげるために発達したという仮説があります。
2,後足を最大限に生かすため
ネコ科は関節を動かせる範囲が広く、後ろ足の動きを邪魔しないためにはあのぐらい余った皮膚が必要なのかもしれません。体をツイストするため、ジャンプ、ネコキックなどかなりアクロバットな動きをします。実際に大きな皮膚腫瘍で腫瘍と一緒に皮膚を切除すると、皮膚が伸びるまで思ったように動けなくなることもあります。
3,たくさん食べるため
野生のネコ科動物は毎日獲物を捕るわけではないので「まとめ食い」が基本になります。そのため一度にたくさん食べられるように皮膚が余っているのではないかという仮説です。
まとめ
プライモーディアルポーチは正常な猫の特徴なのでたるんでいても心配いりません。しかし肥満になるとさらに目立ちます。正常な範囲のプライモーディアルポーチなのか、肥満なのかを判断するのはとても難しいです。(肥満の判断はこちら)大幅なダイエットを成功した猫は体型に似合わずお腹の皮膚だけが余りポーチがさらに目立つこともあります。
プライモーディアルポーチが発達した理由として3つの仮説があります。個人的に3つの「たくさん食べるため」のであればそれなら胃を大きくした方が合理的に思えます。猫の雑学として覚えておくと面白いだけでなく「これは正常な猫の特徴なんだ」ということを知っておくと体型チェックに時に役立つでしょう。