海外の猫学会のためマルタへ行ってきました。これまで2012年ハンガリー 、2018年のイタリアに参加してきたので6年ぶりの参加です。

ISFM Internal Society of Feline Medicine=猫国際医学会

ISFMは1996年に設立された、猫の学会での知識交流や学術雑誌の出版だけでなく、チャリティー活動も行っています。前身のESFM(European Society of Feline Medicin)の時代を含めると、猫の学会としては最も歴史のある団体の1つです。

1年に1度ヨーロッパで大会を開いており、開催地は毎回変わります。いわゆる大都市ではなく、少し落ち着いた都市で行われることが多いです。これはヨーロッパ人はバケーションを兼ねて勉強をしようという目的と、幹事が猫が多い都市を選んでいるという噂があります。

マルタ

首都バレッタの庭園から

地中海に浮かぶ島国で、人口44万人、国土316平方キロメートルと東京23区の半分ほどの大きさです。人口の倍近くの猫がいると推定されている猫島です。またマルチーズの発祥地とされており、マルチーズの「マル」はマルタに由来します。

貿易ルート上の重要なポイントに位置するため、多くの戦争に巻き込まれてきた歴史があります。それでもなお多くの歴史的建造物が残されており、首都バレッタは市街地全体が世界遺産に登録されています。

学会会場

欧米の獣医師は8割が女性、猫学会はさらに女性比率が高い

今回のテーマは「猫の眼科学」ということで最近眼圧計を新調した当院としてはキャッチーなテーマでした。講演は朝8時からのブレックファストセミナーから19時までみっちり入っています。それ以外にも専門家同士によるパネルディスカッション、アドバンスセミナー、ポスター発表などプログラムが同時進行で開催されています。

ポスターは発表では、近年キプロスで発生した高病原性猫コロナウィルス(FCoV-23:人コロナウィルスとは別物です)についての発表があり、ヨーロッパ本土からも同じ株のウィルスが検出されたと報告しています。FCoV-23は猫伝染性腹膜炎(FIP)の発症率が普通の猫コロナウィルスよりも高く危険です。日本国内での報告はありませんが、ヨーロッパ特に南部からの猫の移動は特に注意すべきとされます。

左:会場ホテルの外観,猫学会のノボリ 右:協賛ブースより。紙素材の脱炭素エリザベスカラー

マルタの猫

最後にマルタで出会った猫たちを紹介します。やはり港、公園、海で出会いことが多かったです。

公園の猫。6月のマルタは日本並みの暑さ
左:インディペンデンスガーデンの猫像 右:港のサビ猫
左:インディペンデンスガーデンの猫像 右:港のサビ猫
ヴィヘナガーデン、観光客の注目を集めていたチャシロ猫

来年の猫学会の開催地はスコットランドのエジンバラだそうです。マルタと打って変わって、涼しそうですね。次回は行けるかは分かりませんが、またいつかは海外学会に行きたいなと感じる1週間でした。

チャシロ猫と記念撮影

 

 

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