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知ることで防げる事故 α-リポ酸と猫

α-リポ酸というサプリメントはお家にありませんか?

α-リポ酸というのは補酵素で、体内でエネルギー生産に関わっています。年齢と共に体内での量が減少し、これが中年太りと関係しているのではと考えられています。そのためアンチエイジング効果とダイエット効果を期待してサプリメントとして販売されています。

このサプリメントは大量摂取しなければ人間では大きな副作用がでることは稀ですが、猫では少量摂取しただけでも低血糖に陥って高確率に亡くなってしまいます。

体重1kgあたりα-リポ酸30mg以上摂取すると中毒が起こるといわれています。

例)DHCのα-リポ酸は1カプセル210mg入りなので、7kg以下の猫は1粒でも食べてしまうと命の危機。

さらに危険なことにα-リポ酸は猫を引きつける香りをもっていることです。机の上のおいておいた未開封のα-リポ酸を包装を食い破って食べてしまい亡くなった事例が報告されています。もしα-リポ酸がお家にある場合は引き出しの奥にしまうなど猫が物理的に届かない場所に保管してください。

飼っている猫がα-リポ酸を誤食してしまった場合には早急に動物病院に連絡し、誘吐処置や胃洗浄を受けてください。既に体内に吸収されてしまった場合現在のところ有効な治療法がありません。

小児用バファリンやバファリン+Sに含まれるアセトアミノフェンという薬も猫では中毒症状がでやすいです薬です。

人間に対して安全性が証明されている薬やサプリメントが猫にも安全とは言えません。猫は人間と代謝系が異なるため、今後も猫だけに中毒症状がでるような薬やサプリメントが新たに報告される可能性は高いです。全ての薬やサプリメントは猫の届かない場所に保管してこうした事故を防いであげてください。