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猫のお風呂、シャワーについて

「猫はたまにお風呂に入れたほうがいいですか?」と質問されることがあります。基本的に猫は水に濡れることを嫌こと、定期的にお風呂に入らなくても臭くならいことから「入れなくても大丈夫です」と答えています。

ただ、必ずしも水が嫌い猫ばかりではありません。湯船につかってくつろいでいるような表情を見せる猫もいれば、飼い主さんがお風呂に入ると付いてくるけれども、水に濡れるのは嫌なのか脱衣場で待っている猫もいて面白いものです。

猫はなぜ水に濡れることを嫌うか?

猫(イエネコ)はリビアの砂漠にいたリビアヤマネコ(猫の起源についてはこちら)が起源なので、水が嫌いという説があります。他の動物でも、例えば乾燥地帯出身の鳥は水浴びを好まないことが多いです。ネコ科の中でもジャガーやスナドリネコは泳ぎが得意なので必ずしもネコ科全般が水嫌いという訳ではないんですね。

泳ぐジャガー。余裕の表情です

また猫の毛は密度が高くふかふかしていますよね。そして油分も少ないため水にべったり濡れると乾くのにも時間がかかるのも、猫が水を嫌がる原因なのではないでしょうか。

トルコのターキッシュバンという猫種は世界的に珍しく水泳可能な猫として知られています。ターキッシュバンはトルコのワン湖でまさに泳いでいるところを発見されたため、泳げる猫としてイメージが定着しました。

ターキッシュバンの毛は油分が多く、濡れても水を弾きやすくなっています。動物写真家の岩合光昭さんの猫写真展でも泳いでいるターキッシュバンの写真が展示されていました。

※全てのターキッシュバンが泳げるわけではありません

水泳中のターキッシュバン 出典:www.math.rutgers.edu/~greenfie/mill_courses/math135/diary4.html

小さい頃からお風呂に入れれば慣れるか?

小学生の頃の友人が、猫を水に慣れさせるため仔猫を毎週シャンプーしていましたが、全く慣れませんでした。過剰なシャンプーは猫の皮膚の油を落としてしまい、皮膚のバリアー機能が弱まります。またお風呂自体が猫にとってはかなりの恐怖でありストレス要因です。幼猫時に嫌がることをすることで人間に対して恐怖を感じたり、怒りやすい性格になってしまう可能性もあるので、やはり無理に猫をお風呂に入れるのはやめましょう。

お風呂に入れる頻度

お風呂に入れる頻度は年に1〜2回で十分でしょう。人肌程度の温度のお湯で猫用シャンプー(人間用シャンプーを使うと脱脂力が強いので毛がゴワゴワになってしまいます)で洗ってあげてください。耳に水が入るのを嫌うので顔は最後にしましょう。乾かすときはドライヤー(風や音を嫌う猫もいます)か、タオルで出来る限り拭き取って暖かい部屋で自然乾燥させてあげましょう。

長毛種はお風呂必要?

ヒマラヤン

長毛種は抜け毛が目立ちますし、放っておくと毛玉が脇やお腹にゴロゴロできます。お風呂に入れることで毛玉対策になります。またお尻周りの毛はどうしても汚れがち、バリカンでカットするかお尻周りだけでもシャンプーすると良いでしょう。長毛種でも全身のシャンプーは年3〜4回に留めましょう。

ブラッシングをすることで毛玉の形成を防ぎます。ブラッシングに使うスリッカーはゴムタイプや金属タイプがあるのでお気に入りのものを見つけてあげてください。長毛種は毎日ブラッシングすることをお勧めします。

 

毛がカールの猫は?

セルカークレックス

コーニッシュレックスや、ラパーマなどパーマがかかっている猫種も最近頭数が増えた気がします。被毛がカールしている猫は皮膚から分泌される皮脂が被毛に溜まりやすいため、ベタつきやすいです。そのため、普通の猫よりもシャンプーが必要なことがあります。

ヘアレスキャットは?

ロシア生まれのヘアレスキャッット、ドンスコイ

スフィンクスやドンスコイなど体毛がない猫(実際には細い毛がある)はどうでしょう。毛が伸びるときに皮膚から分泌された皮脂がくっついて排除されますが、毛がないとそのまま皮脂が蓄積します。そのため、カールの猫のように定期的なシャンプーが必要なことがあります。少し意外ですね。

綺麗にしたいけど水を怖がる時はドライシャンプー

洗いたいけれど、水を嫌がって難しいという猫はドライシャンプーがとても簡単です。尿などの臭いがついてしまった場合、とても便利です。

①濡らしたタオルで全身を拭く②ブラッシングをして大きな汚れを落とす③ドライシャンプーを手にとってなじませる④嫌がらなければドライヤーで乾かす

 

乾かす時のテクニック

セームタオルが便利

①タオルで可能な限り水分を取り除きます。猫は毛が密なので3枚ぐらい用意しておくと早く乾かせるでしょう。この時、水泳用のセームタオルがあると便利です。これはスポンジのような素材で、どんどん水分を取ってくれます。

②可能であればドライヤーで乾かしましょう。スリッカーで毛を分けながら行うと早いです。温度には注意し、自分の手に当てながら熱くならないようドライヤーのヘッドを常に動かしましょう。

③ドライヤーの音や風を嫌がる猫も少なくありません。その場合は暖かい部屋で自然乾燥させましょう。

まとめ

・基本的に猫は水を嫌がることが多いです。猫は生涯1度もシャンプーしなくても自分で綺麗にするので不潔ということはありません。

・嫌がらないのであれば年に1〜2回シャンプーに入れても良いでしょう。

・猫の被毛のタイプによってはより高い頻度で定期的にシャンプーをした方が皮膚の健康に良いことがあります。

・毛がベタつく、痒がるなど、異常がある時は皮膚病の可能性がありますので獣医師に相談してみましょう。また排泄物が毛に付着する場合は、毎回洗うのは大変です。お尻の周りだけ毛をカットすると良いでしょう。動物病院でもやってくれるはずです。