猫を撫でていて気持ち良さそうに喉をグルグル鳴らしていたのに突然噛まれた経験はないでしょうか?
この現象は全世界の猫でみられるようで英語では Petting-induced aggression といわれています。
これを日本語にすると「愛撫誘発性攻撃行動」となり、獣医行動学の参考書にもこのように書かれています。
漢字ばかりで長くて堅苦しいので私は飼い主さんに説明するときに「撫ですぎ猫反撃行動」といっています。
撫ですぎ猫反撃行動は猫の方から撫でてくれ〜っと近づいて来た場合も起こるので、噛まれた方は混乱します。
「猫から近づいてきたのに噛まれるなんてやはり猫は自分勝手だ!」と猫のマイペースさを際立たせる行動ですが、実は事前にサインを出しているか撫でる人に問題があるのです。
猫が反撃にうつるのは①撫でるのが長い②撫で方が下手のどちらかです。
1撫でるのが長い
まず猫が膝の上にのってきてあたまをゴシゴシ押し付けてくる段階では猫としては「撫でてほしい〜」のです。しかしある程度撫でられて満足すると「もういいや〜」と思い始めます。
このとき猫のだすサインを見逃すと攻撃されます。
①しっぽを振る。イヌと違い猫がしっぽをふるのはイライラのサインです、人間の貧乏揺すりに近いのかと思っています。
②顎を押し付ける力が弱くなる。顎を撫でると下に下に顎を押し付けてくる猫はその力が弱くなるともう満足していることが多いです。
③耳をたたむ。これも猫がイライラしているときの代表的なサインです。
2撫で方が下手
日頃猫を触らない方が触ると短時間、もしくは一発でイライラが溜まって反撃されます。
猫が撫でられて喜ぶ場所は基本的に自分のベロが届かないところ、つまり顎の舌や耳の付け根などです。
背中やお腹は自分でお手入れできるのであまり好まれません、また手足の先も敏感なので嫌がる猫がおおいです。
また手全体を使ってゴシゴシ撫でるのも嫌がられます、猫にとっては接触面積が大きすぎるのでしょう。
突然の反撃で怪我をしないように気をつけてください。また撫ですぎ猫反撃行動をした猫に対して怒ったり、さらなる反撃は絶対にしないでください。猫と飼い主さんの信頼関係が崩れて近づいてくれなくなってしまうかもしれません。