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猫にウェットフードは本当に歯周病になりやすいのか?

 

ウェットフードとドライフード、どちらが良いかよく議論されますが、このブログを読んでいる皆さんはどちらのフードを与えているでしょうか。ウェットフードの方が香りも強くて美味しいイメージがありますが、ドライフードの方が好みという猫も少なくありません。子猫の時にドライフードしか食べていない場合は、ウェットフードを食べ物と認識しないのか、全く食べないこともあります。

ウェットフードは以前から歯肉炎になりすいと言われていますが、今回それが本当なのか調べてみました。結論から先に言うと、やはりウェットフードの方が歯肉炎になりやすいといえるでしょう。それを支持する論文が2つあったのでそれぞれの論文の中身をみてみようと思います。

ウェットフードと歯周病が関連していると報告した論文

この研究では年齢、食事、歯の種類によって歯石と歯肉炎のスコアがどのくらい違うか、41匹の猫を調べました。スコアは高いほうが悪いという意味になります。参加した猫の数は少ないですが、歯の部位に着目しているのが特徴的な研究です。結果として、ウェットフードを食べている猫はドライを食べている猫よりも、そして奥歯(臼歯)は犬歯や前歯(門歯)よりも歯石と歯肉炎にのスコアが高いことがわかりました。私も日頃の診察で奥歯、特に上の顎の奥歯に歯石や歯肉炎が頻繁にみられことが多いと感じていたので、データで表されて納得しました。

こちらの研究は犬と猫ので食事のタイプ(ウェットのみ、ウェットとドライのミックス、ドライのみ)と、歯石や歯肉炎の有無、そして下顎リンパ節が腫れているかを調べました。下顎リンパ節をチェックしている理由は、歯肉の炎症があると近くのリンパ節が腫れるからです。こちらの研究は猫だけで9074匹調べており、獣医の研究としてはかなり数が多いです。やはり結果としてはドライのみが一番スコアが低く、ウェットのみが一番スコアが高かいという結果が出ました。

まとめ

やはりデータとしてもウェットフードの方が猫は歯肉炎になりやすいという認識は合っていたようです。意外とはっきりと食事の形状によって差があるという論文をみたことがなかったのですが、調べたらこの2つが出てきました。

歯肉炎は歯だけでなく、全身の健康にも影響をするというデータもあります。特に腎臓病は歯肉炎の程度と関連性が強く示唆されており、腎臓病になりやすい動物である猫は特に気になります。

そうすると猫にはドライフードの方がいいのでしょうか?「イエス」とは一概にはいえません。実はドライフードの方がなりやすい病気もあり、しかもその病気の方が緊急性が高く、寿命に直結します。次回はドライフードの方がなりやすい、その病気について解説します。

おまけ  VOHC認定フード/トリーツ

VOHC(Veterinary Oral Health Council=獣医口腔衛生諮問会)という団体が効果を認めているフードとトリーツ、サプリメントがこちらのサイトで公開されています。歯磨きができない猫はこれらを使うと歯の健康のために良いでしょう。日本で手に入るものだけ表にしました。色々なオーラルケア商品がありますが、迷ったらここから選ぶと安心でしょう。

 

参考資料

・Mata, F. (2015). The choice of diet affects the oral health of the domestic cat. Animals, 5(1), 101-109.

・Gawor, Jerzy P., et al. “Influence of diet on oral health in cats and dogs.” The Journal of nutrition 136.7 (2006): 2021S-2023S.

・VOHC Accepted Products for Cats http://www.vohc.org/VOHCAcceptedProductsTable_Cats.pdf