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左右の眼の色が異なることをオッドアイ、医学用語では虹彩異色症とよびます。虹彩とは角膜の下にあり、光の調整をする部分です。日本人ではほとんどが黒か茶色、欧米人は青や緑など色素に依存して色が変化します。左右の虹彩の色が異なるので異色症ですね。最近では「ふくまる」という猫ちゃんの写真集が人気になりましたね。


オッドアイの猫は聴覚に障害がでやすいといわれています。この認識は間違えで、正確には「白猫で青眼の猫」が聴覚に問題がでることがあります。私も小学生の頃から青眼白毛の猫をかっていましたが、耳が聞こえにくいとは思ってもいませんでした。

なんで白猫は眼が青くなるの?

まずなぜ眼が青くなるのかについて説明します。猫の毛の色はメラノサイトという色素細胞の量によって決まります。白猫の場合は色素細胞の働きが白猫遺伝子(W遺伝子)により抑制され、全身白になります。

そして虹彩の色もメラノサイトの量によって決定し、W遺伝子によって色素細胞が抑制されると青くなります。色素細胞が少ないと青くなるのは、空が青いのと同じ理由でレイリー散乱と呼ばれる現象です。さらに色素が全くなくなると虹彩が赤くみえます。これはアルビノといって色素細胞を生まれつき持たない場合、血液の色が透けてみえるからです。

青い眼の猫は青い色素があるのではなく眼の色素が欠乏することで眼が青く見えてるということです。この時に片方の眼だけの色素を脱落させるとその眼だけ青くなりオッドアイになります。

なんで聴覚障害がでやすいの?

さらにこのW遺伝子が耳の中にまで影響を及ぼすとコルチ器という音を増幅する器官に影響を及ぼし、生まれた後コルチ器がうまく形成されません。コルチ器も色素の細胞(メラノサイト)と同じ細胞から分化するからです。

ただ実際はこの仮定では説明がつかないことも多くもっともっと沢山の遺伝子が絡み合って聴覚障害を起こしていると考える研究者もいて原因は完全には解明していないようです。

白毛で青眼の猫はみんな耳が悪いの?

白毛青眼のうち聴覚障害がある猫は60~80% というデータがあります。白毛遺伝子が毛と眼に影響を及ぼしたとしても耳(コルチ器)まで影響がなければ問題ないです。

オッドアイで白毛の猫に関しては30~40%で聴覚障害があるようです。オッドアイの場合は青眼側の耳のみに聴覚障害がでることが圧倒的におおいので青眼の反対側の聴覚は正常であることが多いです。また白毛で青眼以外の色の猫でも10~20%は聴覚に障害があるみたいです。

なぜ同じ青眼白猫でも聞こえる猫がいるの?

白い毛の遺伝子が悪いならなぜ聞こえる猫がいるのでしょう。いくつかのパターンがあります

①後天的に眼の色が変わった。非常に稀なケースですが病気や怪我などで虹彩の色がかわることがあるそうです、人間ではデヴィッド ボウイというロックミュージシャンが外傷により後天的オッドアイになりました。

②オホサスレス(ojos Azules)由来の青眼:オホサスレスとはスペイン語で「青い眼」。有色の毛皮を纏いながら青い眼をもつことを特徴とした猫の品種です。日本ではあまり知られていない品種ですがTICA(The International Cat Association 世界最大の猫の血統登録機関)で認定されている猫種です。白いオホサスレスはミックスの白猫と区別が難しいといわれています。

オホサスレスの猫 かわいい

③S 遺伝子:S遺伝子のSはSpotの略で白いスポットを形成する遺伝子です。日本では白黒ブチと呼ばれる柄はS遺伝子よって形成されます。S遺伝子をもっていてもでも真っ白な猫が生まれることがあります。黒い部分が非常に少なく白猫のようにみえる場合です。このS遺伝子が耳(コルチ器)まで影響する可能性は低いため、聴覚は正常に発達します。

白黒ぶち 白多め

しかしW遺伝子の猫の中でも聴覚障害を起こさない猫だけでブリードを繰り返すことで、聴覚障害をかなり減らすことができるといわれています。

オッドアイの発生率は?

いくつかの報告でのデータがありますが、猫の毛色は測定地域によって偏りがあります。

全ての猫で真っ白な猫の比率  5%

そのうち15~40%は両方あるいはどちらかの眼が青

つまり白毛青眼の猫は全体の 0.75~2%

猫にとって問題は?

野生環境で生きていく上では大きなデメリットであることは避けられません。特に猫は聴覚に頼る割合が大きいので、獲物をとる、危険を察知する際に大きなハンディになります。室内飼いで暮らしている分には全く問題ありません。

おまけ

オッドイの発生率に関するデータはみつけられなかったのでSyu Syu Cat Clinic の待合室に張ってある写真の猫さんたちをカウントしました

患者さんの猫の写真が待合室に貼ってあります
その結果

全1940匹  白猫 65匹 オッドアイ6匹

白猫の比率は3.3%、オッドアイの比率は0.3%でした。全てのオッドアイ猫が白猫でしたので、白猫の中でオッドアイの猫の比率は

6÷65≒0.092

9.2%でした。上記の報告より少ないですね。

“猫のオッドアイについて~聴覚、発生率など~” への1件のコメント

  1. こんにちは、オッドアイのことを調べていてこちらへおじゃましました。
    実は散歩のコースでときどき見かける白猫ちゃんがオッドアイ。
    おそらくもう10ヶ月くらいなのですが、かわいくてうちへ連れて帰りたいと思っているのですが、異常に警戒心が強くて難しそうです。こちらのブログを読ませていただくと、記憶力がよいので小さいときに怖い目にあったらなかなか人間にはなつかないとありましたから、そうなのかな~と。耳もひょっとしたら聞こえにくいのかもしれませんね。しばらく見守りたいと思います。それにしても楽しいブログ、これからもおじゃまいたします。

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